2009年4月17日金曜日

阿修羅に天平の可憐さ

 東京・上野の東京国立博物館・平成館で人気の「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」(3月31日~6月7日開催)を観る。

 阿修羅像をはじめとする八部衆立像(迦楼羅など8体、国宝)、十大弟子立像(現存6体、国宝)が史上初めて奈良の興福寺外で揃って公開されている(但し14体揃っての展示は4月19日まで)。また、中金堂鎮壇具や再建される興福寺中金堂に安置する薬王菩薩と薬上菩薩の両像も展示している。

 展示は、
・第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具
・第2章 国宝阿修羅とその世界
・第3章 中金堂再建と仏像
・第4章 バーチャルリアリティ(VR)シアター「再建中金堂と阿修羅像」
の4部構成になっている。

 阿修羅像は八部衆の1体で、八部衆像と十大弟子像は、光明皇后が天平6年(734年)に亡き母、橘三千代の一周忌供養のために造った。
 特に今回の展示では、3つの顔と6本の腕を持つ阿修羅像を360度の全方位から鑑賞できるのも魅力だった。胴体も腕も細く華奢な像に可憐さが漂っていた。あの細身で、1300年の時を超え立ち続けている姿に深く感銘した。

×  ×  ×

 大変な賑わいだった。もう少しゆったり観られるとよいのだが‥‥。いや、欲は言うまい。天平文化の真髄に目の保養ができたのだから。
 蛇足ながら、音声ガイドはいつまでも可憐さを失わない女優、黒木瞳だった。
2009年4月16日観覧

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