2010年3月2日火曜日

東野圭吾「赤い指」


 東野圭吾の人気シリーズの主人公刑事、加賀恭一郎を阿部寛が演じるという話題が、スポーツかわら版に載っていた。TBS日曜劇場で著者のシリーズ最新刊「新参者」(講談社)をドラマ化する。4月スタートだそうだ。
 阿部ちゃんの刑事か。デッカイ刑事の誕生だ。これぞ『デカ』(笑)。

 そんな興味もあって、東野圭吾の「赤い指」(講談社文庫)を読む。加賀恭一郎シリーズの第7弾。

 照明器具メーカーに勤める前原昭夫の元に、妻の八重子から「早く帰ってきてほしい」と帰宅を急かせる電話が入った。痴呆を患っている母政恵、妻が甘やかして育てた幼児趣味のある中学生のひとり息子直巳との4人暮らし。嫁姑の冷えた関係に介護の問題があり、自立心のない息子と家庭は崩壊していた。不安を抱え帰宅した昭夫が自宅の庭で目にしたのは、黒いビニール袋から覗いた白い靴下をはいた小さな足――少女の遺体だった。

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 加賀恭一郎、練馬署勤務時代の事件。シリーズ第1作「卒業」では、大学生の加賀が事件解決のアドバイスを受けた父隆正だが、今回は胆嚢の癌で入院している。加賀の父親を実父のように感じている従弟の松宮修平は警視庁捜査一課の刑事で、加賀と組んで捜査を担当する。
 本編では、母親のこと、父親との微妙な関係と、加賀恭一郎の貴重な?私生活を知ることができる。

 加賀は長身、彫りの深い顔立ち。学生時代には剣道の大学選手権を制したキャリアがある。卒業後、教師を経て父親と同じ警察官の道を選んだ。

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 読者それぞれが加賀のイメージを持っている。「新参者」のドラマ化で、どんな刑事を見せるのか、阿部ちゃんの演技が楽しみだ。
2010年3月1日読了赤い指 (講談社文庫)

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