2010年6月17日木曜日

伊藤若冲展:千葉市美術館

最晩年の作「象と鯨図屏風」
 「象と鯨図屏風」は大胆かつ奇抜な構図、白と黒のコントラストが見事だ。六曲一双(各縦1.59㍍、各横3.54㍍)の右隻に鼻を高く上げた白象、左隻に潮を噴き上げた黒き鯨――対峙する陸と海の大物を描いている。この作品は2008年8月、北陸の旧家から発見されたもので、わずか2年前まで蔵の奥に眠っていた。さらに伊藤若冲(1716年―1800年)、最晩年の作というから、驚き感動した。

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 千葉まで出向いて千葉市美術館で「伊藤若冲アナザーワールド」展(2010年5月22日~6月27日)を観る。人気の若冲の水墨の作品を中心に、160余点を展示している。

構成
・第1章:若冲前史
・第2章:初期作―模索の時代
・第3章:着色画と水墨画
・第4章:晩年期―多様なる展開

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 水墨を中心とした作品を追う展覧会であったが、
・月夜白梅図
・旭日松鶴図
・樹花鳥獣図屏風
の色彩のある作品に草球kusatamaの目は惹かれた。

「象と鯨図屏風」の落款には「米斗翁(注=若冲の号)八十二歳画」とあり、寛政11年(1799年、没年の前年)前後の作品といわれている。葛飾北斎やパブロ・ピカソも90歳過ぎても創作意欲は衰えなかった。
 アラ還の草球kusatamaなんぞ、まだまだ鼻たれ小僧だと、思い知ったのだった。

2010年6月17日観覧

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