2010年9月11日土曜日

北斎館:信州小布施

「龍と鳳凰」「怒涛」2基の祭屋台の天井絵
 江戸の浮世絵師、葛飾北斎(1760年―1849年)は、天保13年(1842年)秋、83歳で信濃の小布施に高井鴻山邸を初めて訪ねた。豪商の鴻山は自宅に北斎が居住する碧漪軒(へきいけん)を建て厚遇した。以来、訪れること4度。小布施は北斎が晩年、画業の集大成をはかった地である。北斎は岩松院や祭屋台の天井絵を描き遺している。

 祭屋台と、肉筆画を集め、昭和51年(1976年)11月に開設した信州小布施の北斎館を観る。
 祭屋台には「龍と鳳凰」と、男波と女波の「怒涛」の2枚の天井絵が迫力筆致で描かれている。遺作といわれる「富士越龍」は、龍が富士山から天に昇ろうとする構図。

×  ×  ×

 江戸から小布施まで80歳を超えた老人がどれほどの日数を費やして旅したのだろうか。新幹線のない、鉄道すらない時代。当時の平均寿命をゆうに超えていた北斎が、さらに堂々たる作品を残していることに感動を覚えた。
「龍と鳳凰」は85歳、「怒涛」は86歳の作品とか。

 北斎館のほど近く枡一市村酒造場本店がある。店内の手盃(てっぱ)台と呼ばれるカウンターで、出来たての酒を飲むことができる。北斎ゆかりの「碧漪軒」と「鴻山」と名のついた大吟醸を飲ってみたが、すっきりした味わいの「鴻山」が好みだった。蛇足ながら土産に買った。
 市村家は「枡一」の屋号で250年超も前から酒造りをしているとか。下戸ともいわれる北斎は「枡一」の酒は目にしたはずだが、飲んだかどうかはわからない。
2010年9月9日観覧

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