2012年7月21日土曜日

今野敏「ST 為朝伝説殺人ファイル」

東千代之介の為朝は船を沈める強弓を射った――。

 今野敏の「ST 為朝伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班」(講談社文庫)を読む。STものの初期シリーズ、色シリーズに続く「伝説」シリーズの第1弾。

伊豆大島と奄美大島で起きたダイビング中の死亡事故。いずれも源為朝伝承の地。そこでワイドショーは沖縄の為朝ゆかりの地を取材すると、翌朝になって女性キャスターが死体で発見された……。

×  ×  ×

 NHK大河ドラマ「平清盛」には、俳優の橋本さとし演じる源為朝は登場。「はっぷり」というプロテクターを顔に付けて、偉丈夫そのものだった。
源為朝といえば、鎧も貫通する強弓と暴れん坊として知らる。身の丈は7尺(2m10cm)もあったそうな。源為義の9男で、頼朝や義経の伯父さんにあたる。
九州で勇名を馳せ鎮西八郎と異名をとり、保元の乱(1156年)でも父・為義とともに崇徳上皇側につき奮戦し敗れ、伊豆大島に流される。しかしそこでも国司に逆らい大暴れ、伊豆諸島を支配したが、追討を受け自害した。これが日本最初の切腹だとか。


東映時代劇で東千代之介が源為朝役を演じたのを、ガキの時分に観た覚えがある。
討伐の船が来襲すると、その船に向って千代之介の為朝が矢を射ると、侍を乗せた船ごと沈んだのだよね。今思えば漫画チックだが、船を沈める強弓に興奮した(笑)。
為朝を主人公にした物語「椿説弓張月」を曲亭馬琴が著わしているが、東映作品は馬琴作品が基になっている。
2012713日読了

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