2013年7月25日木曜日

樋口毅宏「タモリ論」

*愛みなぎったタモリ論で拡げようタモリの輪ッ! 
樋口毅宏の「タモリ論」(新潮新書)を読む。    
――タモリは三十年間、テレビの第一線を駆け抜けてきたスーパースターにも拘(かか)わらず、同じお笑いの世界の盟主であるビートたけしと比べると、正当な評価を受けていないのは誰の目にも明らかです(原文のまま)。    
 


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目次   
はじめに  
第一章:僕のタモリブレイク  
第二章:わが追憶の「笑っていいとも!」  
第三章:偉大なる”盗人”ビートたけし  
第四章:明石家さんまこそ真の「絶望大王」である   
第五章:聖地巡礼   
第六章:フジテレビの落日、「いいとも」の終焉    
おわりに    

タモリウォッチャーの小説家・樋口毅宏さんが
希代のお笑い芸人の、
その凄さに迫る芸人論であり、
タモリ再評価本と観た。

・樋口毅宏(ひぐち・たけひろ)
1971年(昭和46年)生まれ。作家。小説デビュー作「さらば雑司ヶ谷」。

樋口さんがタモリのテレビをよく観ていて、
その場面や発言の細部まで覚えているのには感心しました。

昨年2013年7月のフジテレビ「27時間テレビ」のこと。
タモリ、たけし、さんまのBIG3が揃いました。
たけしが爆弾発言をしています。
「何年か前、タモさんが楽屋にやってきて、たけちゃん、先にやめないでね。抜けがけしないで。やめる時は言ってよね」
なんと引退時期の相談を持ちかけたのだよね。
タモリがたけしに。

この発言、午前3時ごろだったので、
観てなくて、何日か経ってyou tubeで知って驚いたことがあった。

また昨年暮れのテレビ朝日「徹子の部屋」で、
タモリが語った「整数次倍音」の話。
中村明一という方の著書を紹介し、
歌手では美空ひばり、浜崎あゆみ。
話し声では黒柳徹子とタモリが整数次倍音の持ち主だそうな。
これも妙に説得力のあるタモリの話だったな。

それと「いいとも」のテレホンに出た徳光和夫が、
赤塚不二夫さんのお葬式での感動的な弔辞に触れ、
「あれは白紙だったのでしょうか」と訊ねるところ
「もう忘れました」と答えたタモリ。
ダンディイズムを感じました。

テレビを同時に観ていました当方は半分ボケておりますが、
よくぞここまでの記憶力と集中力と、
樋口さん大したもんです。

四カ国麻雀やイグアナの真似。
怪しいシュールな芸風が「いいとも」30年で
国民的お笑い芸人となりました。
本を読んだあとも、タモリは計り知れない。
深淵なる謎の男だな、と思う。

草野もかなりタモリ好きなんだよね。
「今夜は最高」が面白かったな。
このところの「いいとも」の出番激減。
省エネが目立つ彼ですが、
「いいとも」終焉は近いのでしょうか。
日本の昼の象徴がいなくなったら……。

ともあれ、タモマニア必読の書と言ったら過言だろうか。
タモさん愛に包まれた本でした。

2013年7月22日読了
読書の轍#12

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