2007年12月2日日曜日

全米で人気ガンスモーク

海外テレビ西部劇Ⅰ

 一陣の風に根無し草が町一番の大通りを吹き抜けて行った。

 二人のガンマンが背中合わせに立ち、それぞれに前に歩みを進めた。一歩、二歩‥‥十歩目で振り返ると、ほぼ同時に拳銃の撃鉄を起こしトリガー(引き鉄)を引いた。轟音が響きわたった直後、ひとりがばったりと倒れた。
 
 生死を分けたのは一瞬の手さばきの差にすぎない。

 連邦保安官マット・ディロイは愛用の銃身の長いコルト45を収めると、酒場「ロング・ブランチ・サルーン」に向かった。足の悪い保安官助手チェスターが急いで駆け寄った。「ドッグ、一杯やろう」。決闘を心配そうに見守った老医者に声をかけた。

 酒場の前には板張りの歩道に馬つなぎの柵がある。
 その店先まで出た女主人ミス・キティが満面の笑みで勝者と介添人を迎えた。

 ダッジシティにガンスモーク(硝煙)がたちこめていた。

 「ガンスモーク」は大人向けの米国テレビ西部劇であったが、何故か好きで毎週のように観ていた。同ドラマは1955年(昭和30)にCBSテレビで製作され、20年間余続いた超人気番組だった。日本ではフジテレビ系列で1959年(昭和34)から放送されたが、米国での人気ほど支持は得られなかったと思う。
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 《「24」は「かっぱえびせん」》(2007年11月6日)で書いたように、米国のテレビドラマ「24」にハマり、その後もTSUTAYAに通いSEASON6終了まで漕ぎ着けた。米国のテレビドラマに対する、このような熱気は、昭和30年代以来ではないだろうか。
 そういえば、あのころ西部劇を毎日のように観ていたような気がする。

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 「ロング・ブランチ・サルーン」は酒場兼ホテルで実在し、歴史に名を刻むほどアメリカでは有名だそうだ。ミス・キティは実在の人物ではない。
 「ガンスモーク」の配役
・保安官マット・ディロン(ジェームズ・アーネスト)
・酒場の女主人ミス・キティ(アマンダ・ブレイク)
・医者ドック(ミルバーン・ストーン)
・助手チェスター(デニス・アーネスト)
 ドラマの核は撃ち合いより、人物の心情に力点が置かれたいたように思う。

 カンザス州ダッジシティは1870年代から1880年代にかけ、無法の町であった。軍隊も法も通じない。ならず者が横行していた。

 そのダッジシティでワイアット・アープの助手を務めたバット・マスターソンを主人公にした「バット・マスターソン」もよく観た。最新のスーツを着込み、ダイヤモンドのネクタイピンを着け山高帽にステッキを持った西部一の伊達男と言われた。
 NBCで制作され、日本ではNET(現テレビ朝日)で放送された。マスターソン役は、後に「バークにまかせろ」に主演したジーン・バリーだった。まさに適役だった。
 
 「拳銃無宿」「ライフルマン」「ローハイド」「ララミー牧場」などの話は次回に持ち越す。

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