2008年12月18日木曜日

刑事・鳴沢了「弧狼」

巨躯大食漢の今

 堂場瞬一「刑事・鳴沢了シリーズ」の第4弾「弧狼」(中公文庫)を読む。
 ひとりの刑事が死に、ひとりの刑事が失踪した。青山署の生活安全課から刑事課異動となった鳴沢了が、本庁理事官の沢登から、その特命捜査を受けるところから、ドラマは始まる。
 コンビを組む刑事は、練馬北署の、255ポンドの巨躯で大食漢の今敬一郎(こん・けいいちろう)だ。末は僧侶となる身で、気配りもできる人物。憎めないキャラクターである。また、シリーズ第2弾「破弾」でコンビを組んだ小野寺冴が、刑事を辞め、私立探偵となって再登場するのも妙味だ。
 極秘捜査は困難を極めるが、愛する優美の身辺にも危険が及ぶなか、了と確執のある、父・宗治が胃癌で療養していることが判明する。
 新潟県警時代の同僚刑事、新谷を通じて父の助言を受け、事件解決の闘志をたぎらせる了が、警察内部の不祥事に迫る。
 堂場瞬一はストーリーテラーですなぁ。今回も展開で読ませてくれました。

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