2009年9月13日日曜日

TVドラマ「だましゑ歌麿」

北斎と写楽も同時代

 高橋克彦の同名小説をテレビドラマ化した「だましゑ歌麿」(テレビ朝日系2009年9月12日放送)を観る。

 絵師、喜多川歌麿役を演じる水谷豊が17年ぶりに時代劇に出演することで話題となっていたドラマだ。江戸を大嵐が襲った夜、歌麿の妻おりょうが殺される事件が起こる。ときは老中、松平定信の寛政の改革の時代。倹約を旨としていた。歌麿の画風は公儀に睨まれていた。「千に一つの目こぼしがない」南町奉行所同心、仙波一之進が謎解きに乗り出す。が、水谷の起用もあり、歌麿の比重も高い設定になっているようだ。
 主役の仙波役の中村橋之助がよかった。江戸弁、武家の所作など歌舞伎役者らしくごく自然に感じられるのが、いいねぇ。観ていて安心感がある。
 歌麿の妻おりょうとドラマの最後で仙波と夫婦になるおこうの二役は鈴木杏樹、仙波を助ける小者の菊弥に山本太郎、将来を嘱望される絵師の春朗に原田龍二、版元の蔦屋重三郎に岸部一徳、火附盗賊改の頭、長谷川平蔵に古谷一行を配している。
 原作では、仙波の父、左門が登場するが、ドラマでは母の設定となっており、その名も「おもん」役は市原悦子である。
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 終盤に歌麿が春朗に向って言うシーンが……。
 「おまえさん、名前を変えたほうがいい。どこの出だい? 葛飾か、葛飾は江戸の北だね。葛飾北斎ってのはどうかね」
 春朗はのちの葛飾北斎であったというサービストークが付いていました。
 そういえば、寛政の時代に東洲斎写楽が登場し、わずか10カ月で忽然とその姿を消します。世に送り出した版元は蔦屋重三郎ですね。浮世絵の巨匠が揃っていた時代だったのですね。
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ちょいmemo:高橋克彦「浮世絵殺人事件三部作」
・写楽殺人事件
・北斎殺人事件
・広重殺人事件

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