2009年11月23日月曜日

鳥羽亮「妖し陽炎の剣」

女の白肌のような京女鬼丸

 鳥羽亮の「妖(あやか)し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎」(祥伝社文庫)を読む。野晒唐十郎シリーズ第2弾。
 八月(旧暦)初旬、本所相生町で南町奉行所定町廻り同心と岡っ引きが、妖刀「京女鬼丸」を持つ辻斬りに斬殺された。同夜、浅草諏訪町の米問屋に「大塩救民党」と名乗る賊が押し入り、主人、妻、奉公人を皆殺しにし、千ニ百両が強奪された。翌日、市井の試刀家、小宮山流居合の達人・狩谷唐十郎は二千石の大身旗本、綾部家で試刀を頼まれた。試し斬りに渡されたのは、女の白肌のような優美さを刀身に湛(たた)える京女鬼丸だった……。
目次
・第一章 京女鬼丸
・第二章 三龍包囲陣
・第三章 大塩救民党
・第四章 槍と居合
・第五章 化身
・第六章 大川残映
 唐十郎と辻斬りの対決描写の読み応えがある。
 シリーズ第1弾から引き続き、野晒唐十郎のほか、
・試刀や介錯の際の助手、本間弥次郎
・伊賀者の相良甲蔵
・甲蔵の娘で石雲流小太刀の名手、咲
・十手持ちの狢(むじな)の弐平
と馴染みの顔が登場する。
 時代背景は、天保8年(1837年)大坂で窮民救済を旗印に蜂起した大塩平八郎の乱から8年後の弘化2年(1845年)となっている。
2009年11月22日読了妖し陽炎の剣―介錯人・野晒唐十郎 (ノン・ポシェット)

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