2010年1月12日火曜日

福田靖:大河「龍馬伝」

NHK大河「龍馬伝」

「坂本龍馬は嫌いだった。あんなに腹の立つ男はおらんかった」――という岩崎弥太郎だが、その表情は何故か笑っていた。
 明治15年(1882年)、郵便汽船三菱社長の岩崎は高知県土陽新聞社の記者・坂崎紫瀾から取材を受ける。郷土の維新志士、坂本龍馬について調べているという坂崎に、岩崎が虚空を見つめながら回想する。
 こうして、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」は始まった。

「龍馬伝」は三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の視点から坂本龍馬を描くオリジナル作品で、福田靖(ふくだ・やすし)が脚本を担当している。「HERO」「ガリレオ」「救命病棟24時」などテレビの高視聴率ドラマの脚本家だ。映画では、「陰陽師」「海猿ウミザル」「容疑者Xの献身」なども手掛けている。
 龍馬役は福山雅治、岩崎役は香川照之、龍馬の初恋の人・平井加尾役は広末涼子が演じている。

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 坂本龍馬といえば、なんといっても司馬遼太郎の歴史小説「竜馬がゆく」が有名だろう。ぼさぼさの髪、けして清潔とはいえぬ風体、土佐弁丸出しで粗野な立ち振る舞いながら優しく、人間味に満ち、男にも女にも惚れられる“龍馬像”が世間一般に知られるが、このイメージは司馬作品から生まれたと言っても過言ではない。
 本来は坂本「龍馬」であり「竜馬」ではないが、司馬が敢えて「竜馬」と表題に謳ったのは、歴史上の人物とは違う小説上の英雄を描くためと言われている。

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「龍馬伝」は福田靖のオリジナル作品だけに、脚本がドラマの成否のカギを握っているようですね。ちなみに、1月3日放送のドラマ第1回視聴率は(ビデオリサーチ調べ・関東地区)は23.2%だった。これから真価が問われるわけですが、龍馬役の福山雅治はイメージと違うなどと喧しいけど、新しい龍馬像を描く狙いの配役とのことですので、土佐藩の一介の下士が、古い衣を着た日本を「洗濯いたし申し候」と決意し維新の夜明けに奔走した“龍”に化けるサマを黙って見届けたいと思います。

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 蛇足ながら、三菱のマーク「スリーダイヤモンド」は、土佐藩山内家の家紋「三ツ柏」と創業家の岩崎家の「三階菱」を組み合わせ、岩崎弥太郎自身が考案したそうです。

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