2010年7月4日日曜日

なぜ日本人は落合博満が嫌いか?

テリー伊藤の『日本人論』
 これはテリ―伊藤の落合博満像を通して語る『日本人論』である。

 テリ―伊藤の新刊「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」(角川oneテーマ21)を読む。
 野球人・落合の実績は超一流である。王貞治、長嶋茂雄を凌ぎ、野村克也の上をゆく。唯一匹敵できるのは、打撃の神様にしてV9監督の川上哲治しかいないのではないか。現役時代は史上初の3度の三冠王に輝き、監督6年で3度の日本シリーズ出場、日本一1回の戦績を残している。
 申し分のないキャリア、とんでもスーパースターのはずが、その人気たるやONはもちろん、ぼやきのノムさんと比べても劣る。不当評価はなぜ?

 本著では、その『なぜ』に迫っている。
・日本シリーズでの完全試合目前の投手交代
・マスコミへの愛想なしの寡黙
・ファン感謝デーの欠席
・昭和名球会入りの辞退
 事例をあげ行動の本質を説明し、群れず媚びずわが道をぶれず進む指揮官の根底に流れるのは勝利至上主義であると、説き明かす。

 ついには落合こそ混迷日本を救うリーダーだという。さらに近い将来、中国の代表監督になって日本を脅かす存在になるかもしれないと警鐘する。
 落合を正当に評価できないのは日本人の思想の幼稚化に原因があると、テリ―は論を展開しているである。日本人論と読んだ。

×  ×  ×

 あの実績で落合はいまだ野球殿堂入りを果たせない。選ぶ側が狭量な私情をはさんでいると、草球kusatamaは看破している。歴代の指揮官としては、川上、広岡達朗、森祇晶(もり・まさあき)のタイプに近いが、微妙に違うのだよな、落合は……。

2010年7月3日読了なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21)

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