2012年10月6日土曜日

冲方丁「天地明察(上)」

碁打ちの渋川春海が貞享暦を編纂する物語――。

 岡田准一の映画の番宣をテレビで観て興味を持ち、冲方丁(うぶかた・とう)の「天地明察(上)」(角川文庫)を読む。

 江戸幕府の碁方の長子として生まれた渋川春海(安井算哲)が日本初の和暦、貞享暦(じょうきょうれき)を編纂する物語。

×  ×  ×

 遅読の当方が、やっとこさ「天地明察」上巻を読み終えた。なんと2週間もかかった。牛や亀の歩みでももっと速かろう。自らを虐(しいた)げたくなる。



 親友の「トリ頭」こと戸坂健作(とさか・けんさく)にこのことを話たら、人の傷口に塩を塗って、その上からタバスコを振りかけるように、偉そうにひとくさりが始まった。

――(以下は「トリ頭」の弁)
岡田准一の映画がやっている冲方丁の原作だな。読んだぞ。あんなもの、ものの2時間もあれば楽勝だった(と胸をそらし、ふんぞり返った)。

そもそも時代背景を知らなくちゃ、な。

江戸時代前期、日本では中国の宣明暦を800年超もの長きにわたり使っていたのだが、誤差が蓄積し日常生活に不便が生じていた。4代将軍家綱の命を受けた渋川春海という碁打ちが、和算と天文学の知識を生かし、苦労の末完成させた和暦だな。
これを「貞享暦」という。

老中の酒井忠清、和算の達人・関孝和も実在の人物だし、水戸光圀も保科正之も登場するぞ。

家光の死後に10歳で将軍になる家綱だが、就任早々事件が起った。
知っているか?
慶安の変(1651年)だな。おかっぱ頭の由比正雪や宝蔵院流の槍の名手、丸橋忠弥が幕府転覆を企てたのだ……。

 話が逸れて長くなるので、さえぎったが、この知識もきっとネット検索なんぞで仕入れたものに違いない。明日になればケロリと忘れはずだ。
 ニワトリは3歩歩けば、物忘れしてしまう。「戸坂」は「鶏冠」に、「健作」は「検索」に通じ、ついたあだ名が「トリ頭検索」。

ま、気を取り直して下巻を読もう。
2012105日読了

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